Lesson 10

VSCodeの環境構築

Lesson 10 Chapter 1
VSCodeの環境構築

VSCodeとは、Microsoftが開発した無料でダウンロードできるコードエディターです。多くのプログラミング言語に対応しており、拡張機能を通じて様々な機能を追加することができます。

今回は、PowerShellのスクリプトを作成するためのVSCodeの環境構築を行います。

VSCodeにPowerShellの拡張機能を追加することにより、PowerShellスクリプトの作成、実行、デバッグがより簡単になります。

VSCodeは、PowerShellのスクリプト作成以外にも、多くの用途に利用することができます。例えば、C#、Python、HTML、CSS、JavaScriptなどのプログラミング言語に対応しており、デバッグやコードの自動補完、Gitとの連携などの機能があります。 さらに、ビルドやデプロイなどのタスクを簡単に実行できるタスクランナーも備えています。

【VSCodeでできること】

  • 豊富な拡張機能

    コミュニティが開発した拡張機能を利用することで、多様なプログラミング言語やフレームワークに対応できます。

  • デバッグ機能

    実行時エラーの原因を探ったり、コードの動作を確認したりすることができます。

  • タスクランナー

    ビルドやデプロイなどのタスクを簡単に実行できます。

Lesson 10 Chapter 2
VSCodeのインストール

VSCodeを使用するために、以下の手順にそってVSCodeの環境構築を行なっていきましょう。 以下は、Windows 10を使っている場合のVSCodeのインストール手順です。

  1. VSCodeの公式サイトにアクセスします。

  2. 「Download for Windows」をクリックして、VSCodeのインストーラーをダウンロードします。

    image1

  3. ダウンロードが完了したら、インストーラーを実行します。

  4. ユーザーアカウント制御のダイアログが表示された場合は、管理者権限で実行してください。

  5. インストーラーが起動するので、画面の指示に従ってインストールを進めます。 「使用許諾契約書の同意」が表示されたら内容を確認し、「同意する」にチェックを入れ、次に進みます。

    image2

  6. 「インストール先の指定」を行います。デフォルトのままで構いません。

    image3

  7. 「スタートメニューフォルダーの指定」画面が表示されます。 ここでWidowsのスタートメニューで表示される名前を設定することができます。 デフォルトのままで構いません。

    image4

  8. 「追加タスクの選択」画面が表示されます。 基本的には全て選択して問題ありません。 少なくとも「PATHへの追加」のチェックボックスは選択してください。

    image5

  9. インストールを実行します

    image6

  10. インストールが完了すると、VSCodeが起動します。

VSCodeは、インストール後にすぐに使用できますが、PowerShellの開発に適した環境を整えるには、PowerShell拡張機能のインストールが必要です。

Lesson 10 Chapter 3
VSCodeの日本語化対応

インストールしたばかりの状態だと、英語表記になっています。このチャプターでは作業を効率化するためにVSCodeを日本語化していきましょう。

以下は、VSCodeを日本語化する手順です。

  1. VSCodeを起動します。
  2. 画面左の「Extension」のアイコンをクリックし、検索ボックスに「Japanese」を入力します。

    image7

  3. 「Japanese Language Pack for Visual Studio Code」を選択し、「Install」をクリックします。

    image8

  4. インストールが終わると、画面右下に「Change Language and Restart」のポップアップが表示されるので、クリックして再起動します。

    image9

  5. VSCodeが日本語で表示されることを確認します。

    image10

以上で、VSCodeを日本語化することができます。

Lesson 10 Chapter 4
PowerShell用の拡張機能をインストールする

VSCodeでPowerShellの開発に適した環境を整え、PowerShellの開発を行うために拡張機能をインストールしていきましょう。

以下は、PowerShell用の拡張機能をインストールする手順です。

  1. VSCodeを起動します。
  2. 左側のサイドバーの「拡張機能」アイコンをクリックし、検索ボックスに「PowerShell」と入力します。

    image11

  3. 表示された「PowerShell」拡張機能を選択し、「インストール」をクリックします。

    image12

  4. 「インストール」ボタンをクリックします。
  5. インストールが完了すると、自動的にターミナルが起動し、左のサイドバーにPowerShellのアイコンが表示されます。

    image13

以上で、PowerShell用の拡張機能がインストールされ、VSCodeでPowerShellの開発を始める準備が整います。この拡張機能には、PowerShellのコードのシンタックスハイライトや、コード補完、デバッグ機能などが含まれています。

Lesson 10 Chapter 5
実行ポリシーを変更する

以下は、PowerShellの実行ポリシーを変更する手順です。

  1. VSCodeを起動します。
  2. 画面左下の歯車アイコンをクリックし、「設定」を開きます。

    image14

  3. 画面右上のアイコンをクリックし、「settings.json」を開きます。

    image15

  4. 「settings.json」に下記のコードを入力し、保存します。

    setting.json
    {
        "terminal.integrated.env.windows": {
        "PSExecutionPolicyPreference": "RemoteSigned"
        }
    }
  5. ターミナルで「Get-ExecutionPolicy」を実行して、変更が反映されていること(RemoteSignedが表示されること)を確認します。

    image16

以上で、VSCodeを使用してPowerShellの実行ポリシーを変更することができます。実行ポリシーを変更することで、PowerShellスクリプトの実行を制御することができます。ただし、実行ポリシーをRemoteSignedに変更することで、信頼できるスクリプト以外は実行できなくなるため、必要に応じて実行ポリシーを変更するようにしてください。

実行ポリシーとは

PowerShellの実行ポリシーは、PowerShellで実行できるスクリプトの種類を制限するためのセキュリティ機能です。実行ポリシーを変更することで、PowerShellスクリプトの実行を制御することができます。

PowerShellは、セキュリティ上の理由から、初期設定では実行ポリシーが制限されています。具体的には、実行ポリシーが「Restricted」となっており、PowerShellでスクリプトを実行することができません。このため、実行ポリシーを変更して、PowerShellでスクリプトを実行できるようにする必要があります。

PowerShellの実行ポリシーには、以下のような種類があります。

実行ポリシー 説明
Restricted すべてのスクリプトが実行できません。この設定は初期状態で設定されています。
AllSigned すべてのスクリプトが署名されている必要があります。
RemoteSigned ローカルで作成されたスクリプトは署名する必要がありませんが、リモートからダウンロードしたスクリプトは署名する必要があります。
Unrestricted すべてのスクリプトが実行できますが、警告が表示されます。
Bypass すべてのスクリプトが実行でき、セキュリティ警告が表示されません。

以上が、PowerShellの実行ポリシーについての概要です。実行ポリシーは、スクリプトの実行を制御するための重要なセキュリティ機能であるため、適切な設定を行うことが重要です。

Lesson 10 Chapter 6
PowerShell coreをデフォルトに設定する

初期設定ではVSCodeからPowerShell を実行しようとするとWindows PowerShellが実行されます。この章でVSCodeでPowerShell coreがデフォルトで実行されるように設定を行います。

以下は、VSCodeでPowerShell coreをデフォルトにする手順です。

  1. VSCodeを起動します。
  2. ターミナルで「$PSVersionTable」を実行して、「PSEdition」が「Desktop」になっていることを確認します。

    image17

  3. 画面左下の歯車アイコンをクリックし、「設定」を開きます。

    image14

  4. 画面右上のアイコンをクリックし、「settings.json」を開きます。

    image15

  5. 「settings.json」に下記のコードを追記し、保存します。

    settings.json
    "terminal.integrated.profiles.windows": {
        "pwsh": {
          "path": ["${env:USERPROFILE}\\scoop\\apps\\pwsh\\current\\pwsh.exe"],
          "icon": "terminal-powershell"
        },
      },
  6. ターミナルを再起動します。

  7. ターミナルで「$PSVersionTable」を実行して、「PSEdition」が「Core」になっていることを確認します。

    image18

これでVSCodeでPowerShell coreをデフォルトで実行できるようになりました。 Windows PowerShellを使用したい場合はこの設定は不要です。

Lesson 10 Chapter 7
文字コード

PowerShellでは、スクリプトを作成する際に文字コードに注意する必要があります。文字コードは、テキストデータをコンピュータが扱いやすいように符号化する方法の1つで、異なる文字コードを使用すると、同じテキストでも表示や処理が異なることがあります。

PowerShellでは、スクリプトの文字コードは、UTF-8とUTF-16の2種類がサポートされています。UTF-8は、ASCIIコードに互換性があり、多言語のテキストファイルで広く使用されています。UTF-16は、UTF-8よりも多くのバイト数を使用するため、一部のアプリケーションでは使用されていませんが、Windowsで広く使用されています。

VSCodeを使用する場合、新しいスクリプトファイルを作成すると、デフォルトでUTF-8で保存されます。しかし、既存のスクリプトファイルがUTF-16で保存されている場合は、UTF-8に変換する必要があります。

VSCodeでエンコードを変えるには下記の手順に従ってください。

  1. 「ウィンドウ下の文字コード名(画像の場合はUTF-8)」をクリック

    image19

  2. 画面上部の「エンコード付きで再度開く」をクリック

    image20

  3. 変更したい文字コードを選択することで文字コードを変更することができます。

    image21

VSCodeでの設定自体を変更したい場合はMicrosoftのPowerShell公式ドキュメントを参照してください。 文字コードは、スクリプトの実行やテキストデータの扱い方に影響を与えるため、正しい文字コードを選択することが重要です。また、複数の文字コードが混在する場合には、文字化けやエラーが発生するため、注意が必要です。