Lesson 3
プラグインによる機能拡張
目次
Lesson 3
Chapter 1
プラグインによる機能拡張
Lesson 3
Chapter 2
GPLv2
GPL:General Public Licenseとは
General Public License(一般公衆利用許諾)またはGPLは、フリーソフトウェアライセンスの一つであり、フリーソフトウェア財団(FSF)によって策定されました。
GPLは、自由でオープンソースのソフトウェアの配布、使用、修正、再配布を可能にするために、著作権者が自由ソフトウェアのコピーを再配布、修正、改善する権利を与えるライセンスです。
GPLによってライセンスされたソフトウェアの利用者は、コピー、改変、再配布が自由に行えますが、その場合、同じGPLライセンスの下で再配布する必要があります。
つまり、GPLライセンスの下でリリースされたソフトウェアは、常に自由ソフトウェアとして、利用者に同じ自由を提供する必要があるということです。
GPLにはいくつかのバージョンがあり、その中でも最も広く使われているのが「GPLv2」です。
GPLv2は、1991年に公開されたオリジナルのGPLを更新したものであり、著作権者の権利保護を改善し、特許侵害の問題を解決するために書き換えられました。
GPLv2は、Linuxカーネル、MySQL、Apache HTTP Serverなどのよく知られたオープンソースプロジェクトに使用されています。
フリーソフトウェア財団(FSF)とは
フリーソフトウェア財団(Free Software Foundation、略称: FSF)は、リチャード・ストールマンによって1985年に設立された非営利団体です。
主にフリーソフトウェアの普及や利用条件の改善を目的として活動しています。
FSFは、フリーソフトウェアの定義やフリーソフトウェアに関する哲学的な理念を提唱しており、フリーソフトウェアを自由なソフトウェアとして普及し、人々がソフトウェアを自由に利用し、共有、改変、配布することができる環境を促進することを目指しています。
100%GPLとスプリットライセンスの違い
100% GPLとスプリットライセンスは、オープンソースのライセンスに関する用語で、それぞれに特徴があります。
100% GPLとは、プログラムのコード全体がGPLライセンスに基づいて公開されていることを意味しています。
これは、GPLライセンスでライセンスされたコードを含むソフトウェアである場合、すべてのコードがGPLライセンスでライセンスされる必要があることを意味します。
すべての派生物に同じGPLライセンスを適用するために設計されています。
一方、スプリットライセンスは、複数のライセンスを混在させて使用することができるライセンスモデルを指します。
この場合、コードの一部がGPLライセンスで公開されている場合でも、その他のコードは異なるライセンスで公開されることができます。
ただし、スプリットライセンスを使用する場合、ライセンスの要件に厳密に従う必要があります。
スプリットライセンスは、ライセンスの要件が異なるコンポーネントを含むような複雑なソフトウェアにとって有用です。
一方、100% GPLは、すべてのコードが同じライセンスで公開される必要がある場合、特に単純なプロジェクトに適しています。

Lesson 3
Chapter 3
無償のプラグイン
WordPressのプラグインは、機能の拡張やカスタマイズを簡単に行うことができるため、多くのユーザーから人気があります。
無償で提供されているものも多くあり、導入が簡単で使い方もわかりやすいため、初心者から上級者まで幅広いユーザーにおすすめです。
しかし、膨大な数のプラグインが公開されていることもあり、どういったものを導入すればいいか迷ってしまうのが現状でしょう。
ここでは特にユーザーの多い無償プラグインを抜粋してご紹介いたします。
Contact Form 7
「Contact Form 7」は、ウェブサイトのコンタクトフォームを簡単に作成できる無償プラグインです。
他のプラグインとの連携が容易で、カスタマイズがしやすいことから、WordPressのコンタクトフォームプラグインとして非常に人気があります。
主な機能には、以下のものがあります。
- シンプルなフォーム作成
- カスタマイズ可能なフォームデザイン
- 自動返信機能
- フォームの管理
- サポート
プログラミングなどの専門的な知識を使わずに、必要なフィールドを選択し、フォームに必要なテキストやラベルを追加するだけの簡単操作で実装できます。
柔軟なカスタマイズを簡単に行えるように設計されており、CSSスタイルシートを使用してフォームのデザインをカスタマイズできます。
訪問者に自動返信メッセージを送信することができます。
これは、お問い合わせを受け取ったことを確認するために使用されることが多いです。
ウェブサイト管理者は、送信されたフォームの内容を確認することができます。
送信されたフォームのデータは、ウェブサイト管理者のメールボックスに送信されます。
広範なドキュメンテーションが提供されており、質問や問題が発生した場合には、サポートフォーラムを通じて開発者にアクセスできます。
細かな機能を比較的簡単に調べることができるので、トラブル時にも役立つでしょう。
公式ドキュメントが公開されていますので、導入の際は一目通しておくことをお勧めします。
公式ドキュメントWP Super Cache
「WP Super Cache」は、WordPressサイトのパフォーマンスを向上させるためのキャッシュプラグインです。
これにより、サイトの読み込み時間を短縮し、ユーザーのエクスペリエンスを向上させることが可能になりました。
WordPressが生成するページを静的なHTMLファイルに変換し、それを次回以降のリクエストで返すことで、サイトのレスポンスタイムを大幅に短縮します。
また、キャッシュされたページの有効期限を設定することもでき、古いキャッシュがブラウザに表示されることを防ぐことができます。
さらには、キャッシュのプリロードや、キャッシュを削除するためのスケジュール機能も提供しているため、 簡単にサイトパフォーマンスを最適化することができます。
注意
高度な設定を必要とすることがあるため、初心者には少し難しい場合があります。
Adminize
「Adminize」は、WordPressサイトの管理画面をカスタマイズするためのプラグインです。
このプラグインを使用すると、管理画面のメニュー項目、サブメニュー項目、ウィジェット、ユーザーロール、ダッシュボードウィジェット、ログインページなどを制御できます。
具体的には、以下のような機能があります。
- メニューエディター
- ウィジェットエディター
- ユーザーロールエディター
- ダッシュボードウィジェットエディター
- ログインページエディター
管理画面のメニュー項目やサブメニュー項目を簡単に追加、編集、削除することができます。
管理画面のウィジェットを簡単に追加、編集、削除することができます。
管理画面の各ユーザーロールに対して、メニューアクセスやページアクセスの権限を制御することができます。
ダッシュボードページのウィジェットを簡単に追加、編集、削除することができます。
管理画面のログインページのデザインをカスタマイズすることができます。

Lesson 3
Chapter 4
有償プラグイン
WordPressのプラグインは、多くが無料で提供されていますが、中には有料のプラグインもあります。
有料のプラグインは、高度な機能を提供することができるため、WordPressの専門家やビジネスユーザーからも高い評価を得ています。
有償のプラグインについて解説し、その特徴や使い方などを紹介しますので、 ぜひ参考にしてみてください。
注意
有償プラグインには買い切りとサブスクリプションでの支払い形式があります。
サイト運用に大きく関わる部分なのでしっかりと確認をしたうえで導入しましょう。
WP All Import
「WP All Import」は、WordPressサイトにCSV、XML、Excel、JSONなどの形式の外部データをインポートするプラグインです。
このプラグインを使用すると、WordPressの標準機能では処理できない大量のデータを簡単にインポートできます。
そのため、eコマースサイト、クラシファイドサイト、オンラインディレクトリ、イベントカレンダーなど、さまざまなタイプのウェブサイトに最適でしょう。
eコマースサイトとは
eコマースサイトとは、商品やサービスの販売をインターネット上で行うことを目的としたウェブサイトのことです。
通常のウェブサイトと異なり、商品情報や価格などの情報を掲載し、オンライン決済システムを導入することで商品の購入ができるようになっています。
eコマースサイトとは
eコマースサイトとは、商品やサービスの販売をインターネット上で行うことを目的としたウェブサイトのことです。
通常のウェブサイトと異なり、商品情報や価格などの情報を掲載し、オンライン決済システムを導入することで商品の購入ができるようになっています。
クラシファイドサイトとは
クラシファイドサイトとは、オンライン上で商品やサービスを広告するサイトのことを指します。
主に個人が自分の商品を出品する場合に利用されることが多く、不用品の処分や買い物代行、アルバイト募集、不動産情報、求人情報など、様々な情報が掲載されます。
利用者はサイト上で商品やサービスを検索し、問い合わせることができます。
また、一部のクラシファイドサイトでは、掲載者との直接のやりとりを行わず、サイト内で取引を完結することができるような仕組みも提供しています。
オンラインディレクトリとは
オンラインディレクトリとは、特定のトピックに関連する会社や団体、個人などの情報を収集し、カテゴリーやキーワードなどの方法で検索できるようにしたウェブサイトのことを指します。
例えば、レストランガイドや医療機関のディレクトリ、地域情報などがあります。オンラインディレクトリは、ビジネスをプロモーションする場合や、消費者が必要な情報を見つける場合に役立ちます。
また、SEOにおいても、オンラインディレクトリに登録することでサイトの信頼性や検索エンジンへの露出度を高めることができます。
イベントカレンダーとは
イベントカレンダーとは、特定の期間内に開催されるイベントや予定をカレンダー形式で表示するウェブサイトの機能またはサービスのことを指します。
主に、コンサート、フェスティバル、スポーツイベント、会議、セミナーなど、公開された日程や場所に応じた多様なイベント情報を提供します。
また、イベントの詳細情報やチケット販売情報、参加者のコメントやレビューなどを掲載することもあります。
多くの場合、ユーザーは検索やフィルタリング機能を利用して、自分にとって興味深いイベントを探したり、参加者と交流することができます。
非常に使いやすく、必要に応じてフィールドのマッピング、エラーの管理、更新または新しいデータの追加、および自動スケジュール実行を設定することが可能となっています。
また、各種のサードパーティプラグインと統合されているため、多くのウェブサイトに非常に役立つことでしょう。
サードパーティプラグインとは
サードパーティプラグインとは、WordPressのコア以外の開発者や企業が作成した、WordPressの機能や機能拡張を提供するプラグインのことを指します。
これらのプラグインはWordPress.orgのプラグインディレクトリやその他のサイトで入手できます。
機能制限付きの無料版と高度な機能が追加された有料版が提供されています。
Gravity Forms
「Gravity Forms」は、高度なカスタマイズが可能なフォーム作成ツールです。
Webサイト上でさまざまな種類のフォームを作成することができ、
- お問い合わせフォーム
- 登録フォーム
- 注文フォーム
- 支払いフォーム
- アンケート
など、ほとんどの種類のフォームに対応できます。
ユーザーはフォームフィールドを選択し、編集とドラッグアンドドロップでフォームを実装可能で、事前に用意されている 数百種類以上の組み込みフィールドをカスタマイズし、独自のフィールドを作成することもできます。
また、さまざまな形式のデータを扱えるように設計されています。
フォームからのデータを自動的にデータベースに保存できるため、分析や報告に使用可能です。
フォームの送信を自動化するための連携機能も多数用意されています。
例えば、メールリスト、CRM、Web会議ソリューション、決済ゲートウェイなどにデータを送信できます。
メールリストとは
メールリストとは、電子メールを使って配信するニュースレターや広告、お知らせなどのメッセージを受け取るために登録することができるサービスのことを指します。
企業や組織、個人などが、自分たちの商品やサービス、イベント情報などを顧客やファン、メンバーなどに配信するために利用されます。
CRMとは
CRMは、顧客関係管理 (Customer Relationship Management) の略称で、顧客情報を統合的に管理し、顧客との関係を深めることを目的としたシステムのことを指します。
CRMシステムには、顧客の基本情報や購入履歴、問い合わせ履歴などを一元的に管理し、その情報をもとに営業活動やマーケティング活動などを行うことができます。
Web会議ソリューションとは
Web会議ソリューションとは、ビデオ会議や音声会議、チャット、ファイル共有などをインターネットを通じて行えるソフトウェアのことを指します。
これらのツールを使うことで、遠隔地にいる複数の人々がビジネスミーティングやコラボレーション、オンラインセミナーなどを行うことができます。
決済ゲートウェイとは
決済ゲートウェイとは、オンラインショップやECサイトなどのWebサイト上で、顧客が商品やサービスを購入する際に、クレジットカードやデビットカード、電子マネーなどを使って決済するための仕組みです。
クレジットカード会社や金融機関、決済代行会社などが提供するサービスで、顧客が入力した決済情報を安全に取り扱い、決済処理を行います。
さらには、追加機能のプラグインも多数用意されており、フォームをさらにカスタマイズできます。
例えば、条件付きロジック、マルチページフォーム、フォームのフィールドの重複チェック、予約システムなどです。
条件付きロジックとは
条件付きロジックとは、特定の条件が成立した場合に、ある処理や動作を実行するようにプログラムされた処理のことです。
例えば、ある商品の在庫が残りわずかになった場合に、注文ができないようにするように条件付きロジックを組み込むことができます。
マルチページフォームとは
マルチページフォームとは、1つのフォームを複数のページに分割し、段階的にユーザーに入力を促すWebフォームのことを指します。
ユーザーにとっては、1つの長いフォームをすべて一度に入力するよりも、分割されたフォームのほうが使いやすく感じることがあります。
また、フォームの入力内容を途中で保存しておくことで、途中で離脱しても入力内容が失われないといった利点もあります。
個人向けライセンスから企業向けライセンスまで、さまざまなプランが用意されています。
BackupBuddy
「BackupBuddy」は、WordPressのデータとファイルのバックアップと移行を簡単に行うことができるプラグインです。
WordPressのデータベース、ファイル、プラグイン、テーマ、およびメディアファイルを手動でバックアップする必要がなくなります。
主な機能は以下になります。
- 自動バックアップ
- 移行
- リストア(復元)
- サイトハック保護
- 24時間365日のサポート
自動的に定期的なバックアップを作成することが可能です。
ユーザーは、バックアップの頻度を設定できます。
サイトを新しいドメインやホスティングアカウントに簡単に移行することができます。
プラグインを使用して、移行するための必要なステップを自動的に実行することができます。
バックアップしたデータを簡単に復元できます。
ファイルを選択し、リストアする場所を指定するだけで、簡単にリストアすることができます。
サイトがハッキングされた場合、検出および修復することができます。
この機能は、WordPressサイトのセキュリティを強化するために役立ちます。
365日24時間サポートスタッフによる専用のサポートを受けることができるので、思いもよらないエラーが発生したときも早急に問題解決できます。
BackupBuddyは、個人ブログ、ウェブサイト開発者、Webエージェンシー、Webホスティングプロバイダーなど、さまざまなユーザーに適しています。
Webエージェンシーとは
Webエージェンシーとは、Webサイトの制作や運営においてクライアント企業に対してコンサルティング、デザイン、プログラミング、SEO対策などのサービスを提供する企業のことです。
WebデザインやWeb開発に特化した専門的な技術を持ったチームが、クライアント企業のニーズや要望に合わせてWebサイトを制作・運用し、Webマーケティングやアクセス解析などのトータルサポートを提供します。
Webホスティングプロバイダーとは
Webホスティングプロバイダーとは、インターネット上でウェブサイトを公開するために必要なサーバーやストレージ、ネットワーク接続などのインフラを提供する企業やサービスのことを指します。
Webホスティングプロバイダーは、サービス提供形態や規模によって大きく異なり、共有ホスティング、専用サーバー、クラウドホスティング、仮想専用サーバーなどの種類があります。

Lesson 3
Chapter 5
自作のプラグインを導入する
WordPressには多くのプラグインが存在しますが、自分で必要な機能を実装したいと思うこともあるでしょう。
そんなときは、独自のプラグインを作成してWordPressに導入することができます。
自作のプラグインを導入することで、WordPressの機能を自由自在に拡張できるようになります。
ここでは、WordPressの自作プラグインについて解説し、作成方法や導入方法などを紹介します。
自分でプラグインを作成することで、より自分好みのWordPressサイトを構築してみましょう。
プラグインの管理方法
自作プラグインを管理する方法は、以下の手順に従って行います。
- プラグインの作成
- プラグインファイルの配置
- プラグインの有効化
- プラグインの設定
- プラグインの更新
- プラグインの無効化・削除
まず、自作プラグインを作成します。
※作成方法はLesson3 Chapter6に記載
プラグインの作成には、WordPressが提供するプラグインAPIを利用します。
作成したプラグインファイルを、WordPressのプラグインディレクトリに配置します。
デフォルトでは、wp-content/plugins/以下になります。
管理画面からプラグインを有効化します。
有効化すると、プラグインがWordPressに組み込まれ、利用することができるようになります。
プラグインに設定がある場合は、WordPressの管理画面で設定を行います。
プラグインごとに設定方法は異なりますが、一般的には「設定」メニューの中に、設定画面があります。
WordPressの更新に伴い、プラグインも更新される場合があります。
更新がある場合は、WordPressの管理画面から更新を行います。
プラグインを使用しなくなった場合は、WordPressの管理画面でプラグインを無効化し、必要に応じて削除します。
プラグイン情報ヘッダー
WordPressのプラグインは、プラグイン情報ヘッダーと呼ばれる特別なコメントを含むPHPファイルとして構成されています。
プラグイン情報ヘッダーは、WordPressにプラグインの情報を提供するために使用され、プラグインの名前、バージョン、作者、説明、ライセンス、テキストドメイン、タグなどの情報が含まれています。
これらの情報は、WordPressのプラグイン管理画面で表示され、ユーザーがプラグインを検索し、インストールする際に役立ちます。
また、プラグイン情報ヘッダーはプラグインのPHPファイルの先頭に置かれる必要があります。
ディレクトリ構成の一例
自作プラグインのディレクトリ構成は以下のようになることが一般的でしょう。
plugin-name/
├── plugin-name.php // プラグインファイル
├── readme.txt // プラグインの説明ファイル
├── assets/
│ ├── css/
│ │ └── style.css // プラグイン用のCSSファイル
│ └── js/
│ └── script.js // プラグイン用のJavaScriptファイル
├── includes/
│ ├── admin/
│ │ ├── admin.php // 管理画面用の機能を定義するファイル
│ │ ├── settings.php // プラグインの設定を定義するファイル
│ │ └── templates/
│ │ └── admin-template.php // 管理画面用のテンプレートファイル
│ ├── front/
│ │ ├── front.php // フロント側用の機能を定義するファイル
│ │ └── templates/
│ │ └── front-template.php // フロント側用のテンプレートファイル
│ └── utils/
│ └── utility-functions.php // ユーティリティ関数を定義するファイル
└── languages/
└── plugin-name-ja.mo // 日本語用の翻訳ファイル
上の例では、plugin-name.php がプラグインのエントリーポイントであり、readme.txt がプラグインの説明ファイルとなっています。
エントリーポイントとは
エントリーポイント(entry point)は、プログラムが実行される際に最初に呼び出される関数やメソッドのことを指します。
Webアプリケーションにおいては、エントリーポイントは一般的に特定のURLに対するリクエストを処理するためのコードとなります。
また、assets ディレクトリにはCSSやJavaScriptファイルが配置されます。
includes ディレクトリには管理画面用やフロント側用の機能がそれぞれのディレクトリにまとめられています。
languages ディレクトリにはプラグインの翻訳ファイルが格納されます。
プラグインによっては、このディレクトリが存在しない場合もあります。

Lesson 3
Chapter 6
実際にプラグインを作成する
プラグインを自作できるようになると、サイト構築の自由度は大幅に広がります。
WordPressでテキストを表示するだけの簡単なプラグインを実際に作成してみましょう。
- プラグインディレクトリを作成する
- プラグインファイルを作成する
- プラグインファイルにコードを追加する
- プラグインを有効化する。
まずは、以下のようなプラグインディレクトリを作成します。
wp-content/plugins/my-text-plugin/
プラグインファイルは、PHPファイルである必要があります。
今回は例として「my-text-plugin.php」というファイルを作成しましょう。
wp-content/plugins/my-text-plugin/my-text-plugin.php
プラグインファイルに以下のコードを追加します。
my-text-plugin.php
‹?php /*Plugin Name: My Text Plugin Description: This is my first WordPress plugin.*/
function my_text_plugin_function() {echo "Hello World!";}/*Hello World!を出力する処理*/
add_action( 'wp_footer', 'my_text_plugin_function' );}/*処理を組み込む場所を指定(ここでは'wp_footer'を指定しています。)*/
このプラグインは、フッターに「Hello World!」と表示する単純なものです。
WordPressの管理画面から、先ほど作成したプラグインを有効化します。
プラグインが有効になると、フッターに「Hello World!」と表示されます。
以上が、WordPressでテキストを表示するだけの簡単なプラグインを作成する手順です。
他にもアイデア次第で様々な機能を実装できますが、PHPの知識は必須となります。

Lesson 3
Chapter 7
参考:WordPress公式ディレクトリに公開する
WordPress公式ディレクトリにプラグインを公開することで、WordPressの利用者が簡単にインストールして利用できるようになります。
しかし、公式ディレクトリにプラグインを公開したことがない方がほとんどだと思います。
ここでは、公式ディレクトリにプラグインを公開するために必要な手順と必要な知識を解説します。
WordPress公式ディレクトリとは
WordPressの公式ディレクトリ(WordPress.org Plugin Directory)とは、WordPressのオフィシャルウェブサイトで提供されている、公式のプラグイン(拡張機能)ディレクトリのことを指します。
オープンソースのコンテンツ管理システムであり、世界中で多くのウェブサイトに使用されています。
ユーザーは、公式ディレクトリを通じて、無料で利用できるプラグインを見つけることができます。
readme.txt
WordPressテーマやプラグインに添付されるテキストファイルで、ユーザーにその製品の詳細情報を提供するために使用されます。
readme.txtは、WordPress.orgの公式ディレクトリーに登録するための必須ファイルであり、テーマやプラグインのバージョン情報、製品の説明、インストール手順、利用規約、変更履歴、著作権情報、作者情報などが含まれます。
テーマやプラグインのユーザーがその製品を理解するための貴重な情報源であり、作者が製品を宣伝するための重要なツールでもありますので、 readme.txtを正確かつ詳細に書くことはユーザーにとっては製品の品質や信頼性を向上させることにつながります。
しかし、誰でも見ることができるファイルなのでパスワードなどの機密情報は絶対に記載しないようにしましょう。
WorrPress.orgへの公開申請
WordPress.orgへのプラグインやテーマの公開申請には以下の手順が必要です。
WorrPress.orgとは
WordPress.orgは、WordPressのオフィシャルなウェブサイトであり、WordPressのソフトウェア本体や、テーマ、プラグインなどのリソースを提供しています。
また、WordPressに関する情報やニュース、ドキュメント、コミュニティなどの情報も提供しています。
- WordPress.orgにアカウントを作成する
- 公開用ファイルを準備する
- 公開申請フォームにアクセスする
- 公開申請フォームに必要事項を入力する
- 公開審査が開始される
- 公開承認が通知される
まずはじめに、WordPress.orgにアカウントを作成する必要があります。
アカウントを作成するには、WordPress.orgのサイトにアクセスし、右上にある「ログイン」ボタンをクリックして「アカウントを作成する」をクリックして必要な情報を入力します。
公開用ファイルには、プラグインやテーマのファイル、スクリーンショットreadme.txtなどが含まれます。
これらのファイルを準備し、zip形式に圧縮します。
WordPress.orgのサイトにログインしたら、左側にあるメニューから「プラグイン」または「テーマ」を選択し、公開申請フォームにアクセスします。
公開申請フォームに必要事項を入力します。
これには、プラグイン名、説明、作者情報、タグ、ライセンス、使用方法などが含まれます。
また、公開用ファイルをアップロードする必要があります。
公開申請を行うと、WordPress.orgのスタッフによる審査が開始されます。
審査には、プラグインやテーマの品質やセキュリティ、動作確認などが含まれます。
審査には数日から数週間かかることがあります。
審査が完了すると、プラグインやテーマが正式に公開されます。
公開が承認された場合、メールで通知が届きます。
以上がWordPress.orgへの公開申請の一般的な手順です。
ただし、申請条件や手順は変更される場合がありますので、公開する際は事前に公式サイトで最新の情報を確認するようにしましょう。
リポジトリへのコミット
WordPressのリポジトリは、Subversion(SVN)を使用してコミットしています。
リポジトリとは
WordPressのリポジトリとは、WordPressのコアファイルやプラグイン、テーマ、言語ファイルなどの配布や管理を行う場所のことを指します。
Subversion(SVN)とは
Subversion (SVN) は、ソースコード管理システムの1つで、変更履歴を管理するために使用されます。
複数の開発者が協力してプロジェクトを開発する場合に、コードの共有やバージョン管理などの機能を提供します。
Apacheソフトウェア財団が開発しており、多くのオープンソースプロジェクトで広く使用されています。
コミットとは
「コミット(commit)」とは、バージョン管理システムにおいて、変更履歴を確定し、保存することを指します。
具体的には、ファイルやディレクトリの追加・削除・変更などの操作を行った際に、それらの変更内容を一つのまとまりとして扱い、変更履歴として保存することができます。
コミットの手順は以下の通りです。
- リポジトリのダウンロード
- ローカルマシンで変更
- 変更をコミット
まず、以下のコマンドを実行してリポジトリをローカルマシンにダウンロードします。
bash
svn checkout https://develop.svn.wordpress.org/trunk/ /path/to/local/folder
このコマンドは、WordPressの最新バージョンを取得するために使用されるSubversionコマンドです。
このコマンドを実行すると、develop.svn.wordpress.orgからWordPressの最新版がダウンロードされ、/path/to/local/folderに保存されます。
具体的には、SVNリポジトリからファイルやディレクトリをチェックアウト(取得)し、ローカルにコピーを作成することでファイルの編集やバージョンの管理を行うことができるようになります。
変更を加える前に、以下のコマンドで必ずトピックブランチを作成してください。
トピックブランチとは
トピックブランチとは、GitやSVNなどのバージョン管理システムにおいて、特定の機能や修正を行うために、開発者がリポジトリから独立したブランチを作成することを指します。
bash
svn copy /path/to/local/folder https://develop.svn.wordpress.org/branches/your-topic-branch
svn switch https://develop.svn.wordpress.org/branches/your-topic-branch /path/to/local/folder
svn copyはSubversionリポジトリ内でファイルやディレクトリをコピーするコマンドで、svn switch はSubversionで管理されているプロジェクトの異なるブランチやタグを切り替えるために使用されるコマンドです。
以下のコマンドを実行して、変更をリポジトリにコミットします。
bash
svn commit -m "Commit message"
コミットには、変更内容を説明するメッセージを含める必要があります。
上記の"Commit message"の部分に変更内容を入力することで後で確認した際に状況を把握しやすいというメリットがあります。
変更内容が承認された場合は、リポジトリにマージされます。
マージには、リポジトリの管理者による承認が必要です。
マージとは
マージとは、複数のブランチやバージョンを統合して、新しいバージョンを作成することを指します。
マージを行うことで、複数の人が同時に開発を行っている場合に、それぞれの変更内容を統合し、最新のバージョンを作成することができます。
以上がWordPressのリポジトリへのコミットの手順です。
